アサナのヒント
前回は足の使い方の初歩的な練習方法を通してダラーナ、ディヤーナへの方法を書いてみました。
今回は腕を使ってアサナのやり方を書いてみます。
足も手も身体の使い方は共通する部分が多いです。足でも同じように動かせたら良いのですが硬くなった筋肉は容易に動いてくれません。なので感じやすい腕を使って説明してみます。
腕を横に水平に挙げる時、どのように腕の筋肉を使っているのでしょう。
ほとんどの人は何も考えずに手を挙げていると思います。
何故なら腕を挙げるという目的に意識がいき、腕をどのように挙げているのかなんていう過程には意識を向ける事は先ずありません。
腕を挙げる時、上腕の肩側の筋肉が収縮して、その反対側の筋肉が伸ばされて挙がっていきます。
簡単な解剖学の本などでは、このような拮抗筋を使って腕の動作の説明をしています。
なので、多くの人の頭はそこで止まってしまい、それ以上は考えません。
自分のしているアイアンガーヨガでは、筋肉の動かしかたより皮膚の動きを良く指示されます。
そして皮膚と筋肉の間にはプラーナが流れているといいます。そのプラーナを感じる事が生気鞘を感じることにつながっていきます。なかなか掴みにくい指針ではありますが、観察していくと分かる様になります。なので次に皮膚の動きについて考えてみます。
前述の腕を水平に挙げる動きを皮膚の流れで観察してみます。
すると肩側の上腕の皮膚は肩の方へ動き、その裏側の皮膚は脇の下から肘の方に動いていくのが分かると思います。
そして上の方の皮膚は下の方の皮膚より短くなっていないでしょうか?
肩や腕の痛みを取る1つのヒントがここにあります。
上下の皮膚を均等に伸ばそうとしたらどういう動きが必要になるのでしょう。ここからがアサナの領域になってきます。可動域だけでは観えない世界の入口です。
そこで足でやってみるといいです。
膝内踵、膝外後で足を伸ばしてみます。
そして前屈をしてみます。
足の皮膚はどの様に動くのでしょう。筋肉はどの様に動くのでしょう。何が起こっているのでしょう。
色々なアサナで自分の身体を観察してみてください。
指針は左右が均等である事。
縦方向と横方向の広がりの関係性もみていくとアサナが深まっていきます。
深まるというのは必ずしも可動域が広がるという意味ではありません。
安定感が増し快適であり慈しみが増してくるという事です。